■帳簿の締め切り
◇帳簿を締め切るとは
・当期の記入と次期の記入を区別しておく必要があり、次期の帳簿記入に備えて、帳簿(総勘定元帳)の整理をしておきます。この手続きを帳簿の締め切りといいます。
◇収益・費用の各勘定残高の損益勘定への振り替え
・決算整理後の収益と費用の諸勘定の残高は、次のとおりである。
~略式図~
売上勘定の振替仕訳
借方 貸方
売上 1,200 損益 1,200
受取地代勘定の振替仕訳
借方 貸方
受取地代 60 損益 60
費用の振替仕訳
借方 貸方
損益 950 仕入 950
損益 50 支払家賃 50
※収益や費用の各勘定残高を損益勘定に振り替えると損益勘定に貸借差額が生じます。この差額は、収益の合計額と費用の合計額との差額なので、当期純利益(または当期純損失)です。
◇当期純利益または当期純損失の繰越利益剰余金勘定への振り替え
・収益・費用の各勘定残高を振り替えたあとの損益勘定は、次のとおりである。当期純利益を繰越利益余剰金勘定に振り替えなさい。
~略式図~
振替仕訳
借方 貸方
損益 260 繰越利益余剰金 260
◇各勘定の締め切り
・決算整理後の諸勘定の残高(一部)は次のとおりである。各勘定科目を締め切りなさい。
~略式図~
※収益と費用の各勘定残高は損益勘定に振り替えられており、二重線を引いて締め切ります。資産と負債と資本(純資産)の各勘定のうち、期末残高があるものは次期に繰り越しますので、次期繰越と金額を赤字で記入します。締め切ったあとは、次期繰越と記載した反対側に前期繰越と金額を記入します。
■当期純利益または当期純損失の計上および財務諸表の作成
◇当期純利益または当期純損失の計上
・決算整理をして、精算表の修正記入欄、損益計算書欄、貸借対照表欄をうめたら、最後に当期純利益(または当期純損失)を計算します。
当期純利益(または当期純損失)は、損益計算書の収益から費用を差し引いて計算します。収益が費用よりもも多ければ当期純利益となり、収益が費用よりも少なければ当期純損失となります。
そして、損益計算書欄で計算した当期純利益(または当期純損失)を貸借逆にして貸借対照表欄に記入します。したがって、当期純利益ならば、
貸借対照表欄の貸方に記入し、当期純損失ならば、貸借対照欄の借方に記入します。
◇財務諸表の作成
・損益計算書・・・一会計期間の収益と費用から当期純利益(または当期純損失)を計算した表で、会社の経営状況を表します。
・貸借対照表・・・決算日における資産・負債・資本の内容と金額をまとめた表で、会社の財政状況を表します。